日本の最南端にある「宮古神社」の魅力と歴史

宮古神社の外観

宮古空港から車で約12分。1590年(天正19年)に建てられた「宮古神社」は、日本の最南端にあります。

強いエネルギーを持つパワースポットとしても人気の「宮古神社」の魅力や歴史を紹介します。

沖縄らしい宮古神社の魅力

宮古神社の外観

駐車場にある狛犬はまるでシーサーのようです。まっすぐにのびた参道の両側には芝生が敷き詰められ、本殿や社務所には琉球赤瓦が使われている沖縄らしい神社です。

宮古神社は、平良市街地の高台にあり、天気がいいとエメラルドグリーンの海や伊良部大橋を眺められます。

金運上昇や商売繁盛などのご利益があるといわれている宮古神社には、多くの方が訪れています。開放的な景色に囲まれながら参拝できるのも魅力的です。

宮古神社には御朱印があり、社務所でもらえます。また、色鮮やかな沖縄らしい御朱印帳も用意されています。

受付時間は9時から17時までですが、祭典や結婚式などで不在の場合も考えられるので、事前に電話で確認するのがおすすめです。

400年以上の歴史がある宮古神社

宮古神社には、波上宮から勧請した熊野三神と宮古島を統治していた豊見親三神がまつられています。

宮古神社の歴史は、琉球王朝の時代にさかのぼります。首里に献上品を納めた地主職の平良は、宮古島に帰る途中に海難にあってしまい、高麗(朝鮮)に行きつきました。

言葉も通じず風貌も違った平良は「異国の盗賊」と誤解され斬られそうになります。そのとき、琉球の神々に祈りを捧げて地面に「琉球」と書くと、誤解がとけて平良は助かりました。

その後、高麗と北京で過ごすことになった平良は、8年後にやっと宮古島に帰ってこられます。平良は「琉球の神々のおかげで帰ってこられた」と感謝します。

そして1590年(天正19年)、琉球国第一の神社である那覇の波上宮の熊野三神を勧請して宮古島にまつりました。これが宮古神社のはじまりといわれています。

1611年(慶長16年) 薩摩藩の進言によって琉球王府は瓦葺の社をつくり「宮古熊野三所大権現」の称号を贈りました。

宮古熊野三所大権現鎮座の地

熊野三神がまつられている宮古権現堂

そして1925年(大正14年)、町社・宮古神社を建て、豊見親二柱(與那覇恵源命と仲宗根玄雅命)をまつりました。

公認の神社を目指しましたが、なかなか国から認められず、宮古権現堂とともに修繕が必要な状態になってしまいます。

そして1940年(昭和15年)、宮古権現堂と町社・宮古神社を合わせた新・宮古神社を建てることが決定します。

1943年(昭和18年)に西里5番地に新社殿がが完成しますが、第二次世界大戦中に宮古島が空襲をうけたことで、ご祭神は一時的に漲水御嶽にまつられることになりました。

1956年(昭和31年)には、目黒盛定政命をご祭神に加えます。本土復帰の1972年(昭和47年)、西里1番地に仮社殿が建てられます。

その後も神社の復興が進められ、1980年(昭和55年)に社殿が完成しました。漲水御嶽にまつられていたご祭神は、宮古神社にまつられます。

その後、社殿の老朽化や宮古島市の誕生がきっかけで「宮古神社を発祥の地にもどし、最南端の神社に相応しい社殿を復興するべきだ」という流れになっていきました。

そして2010年(平成22年)、ふたたび西里5番地に宮古神社が建てられました。

宮古神社とゆかりのある漲水御嶽

漲水御嶽

一時的に宮古神社のご祭神がまつられていた漲水御嶽。大きなガジュマルに包まれ、異空間のような空気感がただよっています。

宮古島にたくさんある御嶽は、神様が降りてこられる神聖な場所なので、一般的には立ち入れません。

ですが、宮古神社から徒歩約3分の場所にある漲水御嶽は、誰でも参拝できます。宮古島の指定史跡にも指定されている、パワースポットです。

もっとも格式が高く信仰の厚い漲水御嶽は、宮古島創世神話や人蛇婚伝説などが伝えられている聖地です。漲水御嶽には、宮古島創世神話の男神・コイツノ、女神・コイタマがまつられています。

漲水御嶽はお願いをする場所ではないので、あいさつに訪れましょう。参拝するときは、神社のように二拍手はせず、手を合わせるだけにして静かに祈ります。

自己紹介をしたら、無事たどりつけたお礼をして宮古島での目的を伝えましょう。また、見守っていただける感謝の気持ちも伝えます。

漲水御嶽の南側にある石垣は、1500年(明応9年)に宮古島の仲宗根豊見親玄雅が「オヤケアカハチの乱」で勝利した記念につくられたといわれています。ちなみに「豊見親」は、親方や首長という意味があります。

別名「ツカサヤー」ともよばれている漲水御嶽は、当時の石造技術を知るうえでも貴重な文化財で、宮古島市指定史跡にもなっています。

また、漲水御嶽から徒歩約3分の場所には、国指定の文化財でもある「仲宗根豊見親の墓」があります。仲宗根豊見親玄雅が、父をとむらうために建てたお墓です。

宮古島に訪れた際は、歴史や文化を感じられる「宮古神社」や「漲水御嶽」などにも足を運んでみてはいかがでしょうか。

宮古神社
住所 沖縄県宮古島市平良西里5-1(地図
電話番号 0980-72-6137
HP https://miyako-jinja.com/index.html

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