「東平安名崎」は、日本の都市公園100選や国の史跡名勝・天然記念物に指定された宮古島の代表的な観光スポットです。
全長約2kmにわたって細長く伸びている岬で、散策におすすめの観光スポットです。強い風が吹きわたり、断崖に荒波が押し寄せる様子はとても迫力があります。
そんな見どころ満載の「東平安名崎」を紹介します。
東平安名崎で眠るマムヤの墓
駐車場から少し歩くと、大きな岩を発見。この岩は、絶世の美女マムヤの墓といわれています。マムヤは悲しい恋をした女性でした。
【マムヤ物語】
その昔、東平安名崎の近くの保良村に、マムヤというとても美しい娘がいました。
マムヤは、はた織りが素晴らしく、体からニフニリ(香草)の芳しい香りがする絶世の美女でした。
そんなマムヤは、野城按司に見初められ恋仲になります。しかし野城按司には、すでに妻と子どもがいました。
野城按司は、周りから「子どものことを思えばマムヤより妻の方がいい」といわれ、マムヤと別れます。
だまされていたと知ったマムヤは、絶望して平安名崎の断崖から身を投げました。
悲しみにくれた母親は「再びこの村にマムヤのような思いをする美人が生まれないように」と神に祈り願ったといわれています。
東平安名崎にある巨岩とサンゴ礁
東平安名崎には、大きな岩がたくさんあります。これは、1771年(明和8年)に起こった「明和の大津波」で打ち上げられたものだといわれ「津波岩」とよばれています。
さらに奥の方に見えるのは「パナリ」とよばれる楕円状のサンゴ礁です。海の色が違うので、はっきりとわかります。「パナリ」には、ある伝説が伝えられています。
【パナリ伝説】
その昔、パナリには女だけが住んでいる村がありました。
あるとき神さまが天からおりてきて、1人の女性と親しくなり、男の子と女の子が誕生します。神さまは「男の子はしばらくしたら連れて帰る」というと、天にもどりました。
子どもを連れ去られたら困ると思った母親は、神さまに毒を飲ませようと考えました。このことを子守をしていた女から聞いた神さまは、信じられずに怒って大地を踏みつけます。
すると、パナリ村は沈没して、反対側にパナリ村とそっくりな島が浮き上がりました。その島がいまの来間島だといわれています。
東平安名崎のめずらしい植物の数々
東平安名崎では、200種以上のめずらしい植物が見られます。
沖縄県の天然記念物に指定されている「テンノウメ」や、春に咲き誇る「テッポウユリ」など、季節ごとにさまざまな花を楽しめます。
テッポウユリが見られる4〜5月は、海開きも行われているので、観光に人気の時期です。
アダンの実も発見しました。パイナップルに似ていますが、あまりおいしくないそうです。こういう植物を見ると、沖縄って感じがしますね。
いろいろな植物を見ていると、かわいらしい鳥もいて、癒されました。東平安名崎では、バードウォッチングも楽しめそうです。
東平安名崎といえば平安名崎灯台
岬の先端近くには、白亜の「平安名崎灯台」があります。駐車場から灯台までは、ゆっくり歩いて10分ほどです。
東平安名崎にある平安名崎灯台は、全国に16基ある「のぼれる灯台」のひとつです。のぼれる灯台としては、日本で1番南にあります。
入場料は300円ですが、小学生以下は無料です。灯台の1階には小さな展示資料室があります。
97段のらせん状の階段をのぼっていくと、東シナ海(西側)と太平洋(東側)の波がぶつかる360度の大パノラマが広がっています。
灯台からの景色は、息をのむほどの絶景です。東平安名崎の形がよくわかります。津波岩やパナリも見えます。
平安名崎灯台は、宮古島で最東端の場所にあるので、絶好の朝日・夕日スポットとしても人気です。
さまざまな景色を楽しみながら、のんびりと散策してみてください。東平安名崎は、30〜60分程度で散策できます。